【再掲】2014年10月 ASL "Morgan's Stand[G30]" 対戦記録

※ この記事は旧ブログの記事をリライトし再掲したものです。

1 シナリオの概要
2 シナリオの分析と方針
3 対戦の経過
4 対戦を終えて
5 ルールについて
 2014年10月の千葉会様にお邪魔して、ASLを対戦しました。午後からの参加だったのですが、最後まで続く白熱した接戦となりました。その記録です。

1 シナリオの概要
(1)全般
 1944年9月の西部戦線を舞台にしたシナリオです。
 橋を渡って村に橋頭堡を確保した米軍に対して、ドイツ軍が反撃します。
 7ターンのシナリオです。
 勝利条件は、ゲーム終了時に、村側地図盤に混乱状態でない米軍の複数兵カウンターがいない状態にするか、橋の入り口を支配していればドイツ軍の勝ち、というものでした。
 建物は全部木造となります。

(2)攻撃側ドイツ軍について
 歩兵は一線級・二線級取り混ぜて総計14個分隊、指揮官4人、車両4両(うち1両は150ミリ榴弾砲搭載のブルムベア突撃戦車)という豊富な戦力でした。しかし、即興の反撃なので、ばらばらに1~4ターンにかけて進入します(進入順は無作為)。パンツァーファウスト(歩兵が扱う、使い捨ての対戦車擲弾)も3発しか撃てません。ELR(戦闘経験レベル値)も2と低いのが難点です。車両が火力の源なので、この使い方が勝敗を左右すると感じました。

(3)防御側アメリカ軍について
 盤上には6.5個分隊と指揮官2名です。支援火器は、中機関銃x1、バズーカx2でした。車両は、M4A1シャーマン戦車x1、M10戦車駆逐車x1です。この2両は、弾薬欠乏が影響します。
 2ターン目から7ターン目の間に、2個分隊とM8 75ミリ自走砲が増援であらわれます。ターンが過ぎる度にあらわれる可能性が上がるのですが、サイコロで登場を判定するため、いつあらわれるかはわかりません。

(4)担当
 わたしが、防御側のアメリカ軍を担当します(以下、米軍プレイヤーと記述します)。

2 シナリオの分析と方針
(1)分析
 地図盤10の村側という、建物が道路で区切られている典型的な市街戦の地図盤を用います。ドイツ軍にとってはこの危険な街路の渡り方が、米軍にとっても前衛が撤退する際に、どう安全に街路を渡るのかがキーになるシナリオと米軍プレイヤーは考えました。
 街路が火制されていると、一度定めた近接経路を他へとシフトしづらいでしょう。

 戦車を比較すると、数・質共にドイツ軍に優位があります。ただし、最初は数が劣ります。少ないうちに不用意に動いたら、米軍にとっては各個撃破のチャンスです。
 米軍車両の内2両は上部開放型(Open Top)のため、ハッチ閉鎖状態(Buttoned Up,BU)だと主砲が撃てません。ただし、米軍は操作班の士気が低く、操作班露出状態(Crew Exposed,CE)歩兵の火力にも害される可能性があるため、慎重に運用する必要があります。

(2)方針と配置
 米軍プレイヤーは、2つのことを考えて配置しました。
 一つは、生き残ることです。
 アメリカ兵の特徴は、表面の士気が低く混乱しやすい代わりに、裏面の士気が高く回復しやすいことです。混乱しても比較的早く戦線に戻ってくるので、潰走不能での除去を避けるよう、潰走路を考えて配置しました。
 車両も優勢ではありません。こちらの車両が残っているうちは攻撃側も大胆な行動は取れないと考え、後進起動などで逃げられるよう、退路を考えながら配置します。

 もう一つの方針は、突破や迂回をされないことです。後ろに回り込まれると潰走を妨害され、増援が橋を渡るのも阻止されてしまいます。

 この2つの方針を念頭に、開けた左翼はM4シャーマン戦車の火力で塞ぎ、中央から右翼にかけては、歩兵を縦深をもって配置することで塞ぐような配置にしました。前衛の歩兵は、遅滞しながら撤退する予定です。建物間を渡るときは、米軍得意の歩兵煙幕手榴弾を使います。
 立ち止まって戦っていては、相手の火力が揃った際に撃破されてしまいます。ASLの防御側の定石通りに、戦いながら撤退します。米軍プレイヤーが最終陣地として考えていたのは、ドイツ軍の動向にも寄りますが、米軍右翼後方の、林と建物が繋がっている辺りです。この石壁のラインで敵を止められたら、と考えていました。

 後方にM10戦車駆逐車を置いたのは、予備と、左翼を敵車両が突破してくるのを防ぐという2つの意図がありました。

 車両操作班の士気が低くCEになりづらい米軍ですが、米軍プレイヤーはシャーマン戦車をCE状態で配置することにします。ドイツ兵はパンツァーファウストを持っているので、BU状態でも歩兵に害される可能性はあるためです。であるなら、対空機銃を使え砲の命中判定にもペナルティのないCE状態を、割り切って選択しました。ドイツ兵が近づいてきて、機関銃が脅威になってきたらBUに切り替える方針です。

 以上のような方針・配置で望みました。

 黄緑色の駒がアメリカ軍、水色の駒がドイツ軍です。
△ 初期配置の様子。黄色い線の右側がシナリオで使う範囲です。

3 対戦の経過
(1)ドイツ軍の進入と米軍前衛の後退
 ドイツ軍の進入は、グループ3、1、4、2の順番でした。グループ3~4は地図盤中央から、米軍右翼正面から進入してきます。こちらが主攻のようでした。最後のグループ2だけは、米軍左翼正面に登場します。

 数が揃わないうちは、ドイツ軍も慎重でした。アメリカ軍も、ダッシュ等を利用して後退します。歩兵煙幕手榴弾も使いたかったのですが、サイコロの出目が悪くいまいち出ませんでした。それでも、狙撃に助けられて、アメリカ軍は兵を失うことなく後退しました。

 また、ドイツ軍の37ミリ対空砲ハーフトラックが主砲を故障させました。これがちょうど米軍前衛の退路を火制する位置にいたので、米軍の大きな助けになります。ドイツ軍は修理を試みましたが、失敗。主砲が永久故障となって、ハーフトラックは盤外に帰還していきます。

△ 4ターン目のドイツ軍の移動フェイズ(MPh)終了時。ドイツ軍部隊が揃いました。

(2)両翼の奮戦とドイツ軍機関銃の不可解な行動
 主陣地と考えていた中央の建物~右翼の林のラインに蝟集した米軍に対して、部隊の揃ったドイツ軍が攻撃をかけてきます。

 ここで活躍したのが、米軍右翼の指揮官と分隊でした。米軍プレイヤーはこそこそ移動(Skullking;移動フェイズに警戒移動で敵のLOS外に逃れ、突撃フェイズに戻ることで被射撃を免れ戦線を維持するテクニック)をするつもりでしたが、ドイツ軍のLOS外に逃れられないことに気づきます。彼らは覚悟を決めて、ドイツ兵と撃ちあいました。
 米軍の士気チェックの出目がよく、彼らは持ち堪えます。運だけでなく、地形も味方しました。ドイツ兵が陣取った前面の建物が連続住宅(HJ訳だと長屋)で、火力グループを組めなかったです。8火力+2は脅威でしたが、4火力+2x2回だと士気チェックの結果がなかなか出ません。

 米軍左翼では、予定通りに後退したシャーマン戦車が、側防機銃のようにドイツ兵を撃ち続けます。ドイツ軍はIV号戦車やIII号突撃砲を中央に指向したため、このシャーマン戦車を排除できません。

 さらにドイツ軍を不幸が見舞います。150ミリ砲搭載の切り札、ブルムベア突撃戦車のが初弾で6ゾロを振って主砲が故障しました。修理も失敗し、盤外に帰還していきました。

△ 本文の通り、中央に主砲の故障したブルムベア突撃戦車。

 ここでドイツ軍が、建物の2階に機関銃を上げました。米軍プレイヤーは、この動きを中央の建物を撃つためと予想します。この予想は誤りでした。相手の意図は終盤明らかになります。

 米軍は部隊を予定していた最終陣地に引き揚げさせます。ドイツ軍も、追いすがってきました。

△ 本文と前後しますが、第6ターンのドイツ軍移動フェイズ(MPh)終了時。敷き詰められた残留火力が、米軍の激しい臨機射撃の痕をあらわしています。

(3)増援の到着と最終陣地を巡る攻防
 なかなかあらわれなかった米軍増援も、5ターン目には登場し、橋を渡ります。6ターン目に米軍プレイヤーは、増援を主戦場に合流させようとして、建物2階に機関銃を上げたドイツ軍の意図を理解しました。その建物2階は、橋から村へと繋がる一本道を見えるところなのです。建物と建物の間の隙間を縫って石壁の上を通過するわずかなLOSですが、確かに見えています。
 さらに、先頭のドイツ兵も中央の建物1階に侵入、この一本道を狙っています。
 アメリカ軍が増援を安全に通すには、この2ヶ所のドイツ軍火力を無力化しなくてはいけません。

 建物1階の敵兵は、シャーマン戦車がVBMフリーズ(Vehicle Bypass Move Freeze;敵の居る建物や林で車両を迂回移動させつつ移動フェイズを終了させ、目標の制限により他を撃てなくするテクニック)を使って一時的に無力化します。
 2階の機関銃に対しては、煙幕を使ってなんとかしようとするのですが、上手くいきません。増援の米軍歩兵は、撃たれながら走ることになります。
 ところがドイツ側の臨機射撃は出目が悪く効果なし。増援2個分隊は、勝敗に影響する地図盤にたどり着きます。

 残り時間の少ないドイツ軍は、正面から米軍の最終陣地破砕を狙って押し寄せます。
 米軍プレイヤーが石垣の確保を忘れていて、残留火力を減衰させてしまったところもありました。しかし射撃のサイコロの出目がよく、ここでは敵を撃退します。
 VBMフリーズをしたシャーマン戦車も、対空機銃と主砲でドイツ兵と戦っていたM8自走砲も撃破されます。さらに、突っ込んできたIV号戦車にアメリカ軍はバズーカを命中させるも、不発で破壊できませんでした。
 ドイツ軍も踏ん張りました。村の地図盤に押し込んだ米兵2個分隊の増援を、軽機関銃でROFを回して撃ちまくり2個とも混乱させます。1個は、石壁と建物との間を通るわずかなLOSをついての射撃でした。
 ついで、ドイツ兵は、ヒーローと共に白兵戦に突入してきます。

 しかし最終ターンの白兵戦で、ヒーロー付きのドイツ軍分隊に対してアメリカ軍分隊が不意打ちを取ります。当然、白兵戦を避けて後方に浸透します。次の米軍移動フェイズで(MPh)でこの分隊は、撃たれづらい場所に警戒移動します。これを撃てる唯一のドイツ兵が撃つも効果なし。
 IV号戦車もこの米兵を撃てる場所にいたのですが、前の準備射撃(PFPh)でバズーカをあてられて破壊されていました。
 この米兵を混乱させる手段がなく、ドイツ軍が投了しました。

△ 最終ターン終了時の盤面。黄色い○が、不意打ちを取って生き残った米軍分隊です。

4 対戦を終えて

 最後まで白熱した勝負でした。主砲の修理の失敗や頻発する狙撃(ここまでドイツ軍)、なかなか登場しない援軍やバズーカの不発(ここまで米軍)にお互い悩まされながら、両軍勝利をめざして、知恵を絞って移動と射撃を繰り出しあいました。
 こうした移動と射撃のやりとりこそ、ASLの醍醐味と思います。
 これを味わえたのも、相手プレイヤーが、慎重さと大胆さを冷静にブレンドして、粘り強く攻めてくださったからこそと思います。
 闘志に溢れ、フェアで、真面目な対戦相手こそ、ウォーゲームライフにおける得難い財産だと感じました。

5 ルールについて

 建物か林から射撃する中・重機関銃は、そのフェイズ中は射界が固定されます(釘付いた場合は、射界制限はそのプレイヤーターン中まで延長)。
 射撃する際、ROFが残ったら宣言しようと、ついつい心はやらせてサイコロを振ってしまいます。厳密に言えばサイコロを振る前に射界を宣言しないといけないのです。お互いに、何度かやっていました。

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